第2章 急傾斜地崩壊危険区域に関する管理等(第6条―第20条)/急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律
(昭和四十四年七月一日法律第57号)
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最終改正:平成一四年二月八日法律第1号
第2章 急傾斜地崩壊危険区域に関する管理等
(標識の設置)
第6条
都道府県は、急傾斜地崩壊危険区域の指定があつたときは、国土交通省令で定めるところにより、当該急傾斜地崩壊危険区域内にこれを表示する標識を設置しなければならない。
(行為の制限)
第7条
急傾斜地崩壊危険区域内においては、次の各号に掲げる行為は、都道府県知事の許可を受けなければ、してはならない。ただし、非常災害のために必要な応急措置として行なう行為、当該急傾斜地崩壊危険区域の指定の際すでに着手している行為及び政令で定めるその他の行為については、この限りでない。
一
水を放流し、又は停滞させる行為その他水のしん透を助長する行為
二
ため池、用水路その他の急傾斜地崩壊防止施設以外の施設又は工作物の設置又は改造
三
のり切、切土、掘さく又は盛土
四
立木竹の伐採
五
木竹の滑下又は地引による搬出
六
土石の採取又は集積
七
前各号に掲げるもののほか、急傾斜地の崩壊を助長し、又は誘発するおそれのある行為で政令で定めるもの
2
都道府県知事は、前項の許可に、急傾斜地の崩壊を防止するために必要な条件を附することができる。
3
急傾斜地崩壊危険区域の指定の際当該急傾斜地崩壊危険区域内においてすでに第1項各号に掲げる行為(非常災害のために必要な応急措置として行なう行為及び同項ただし書に規定する政令で定めるその他の行為を除く。)に着手している者は、その指定の日から起算して十四日以内に、国土交通省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
4
国又は地方公共団体が第1項の許可を受けなければならない行為(以下「制限行為」という。)をしようとするときは、あらかじめ、都道府県知事に協議することをもつて足りる。
(監督処分)
第8条
都道府県知事は、次の各号の一に該当する者に対して、前条第1項の許可を取り消し、若しくは同項の許可に附した条件を変更し、又は制限行為の中止その他制限行為に伴う急傾斜地の崩壊を防止するために必要な措置をとることを命ずることができる。
一
前条第1項の規定に違反した者
二
前条第1項の許可に附した条件に違反した者
三
偽りその他不正な手段により前条第1項の許可を受けた者
2
都道府県知事は、前項の規定により必要な措置をとることを命じようとする場合において、過失がなくてその措置をとることを命ずべき者を確知することができず、かつ、これを放置することが著しく公益に反すると認められるときは、その者の負担において、その措置をみずから行ない、又はその命じた者若しくは委任した者に行なわせることができる。この場合においては、相当の期限を定めて、その措置をとるべき旨及びその期限までにその措置をとらないときは、都道府県知事又はその命じた者若しくは委任した者がその措置を行なうべき旨を、あらかじめ、公告しなければならない。
(土地の保全等)
第9条
急傾斜地崩壊危険区域内の土地の所有者、管理者又は占有者は、その土地の維持管理については、当該急傾斜地崩壊危険区域内における急傾斜地の崩壊が生じないように努めなければならない。
2
急傾斜地崩壊危険区域内における急傾斜地の崩壊により被害を受けるおそれのある者は、当該急傾斜地の崩壊による被害を除却し、又は軽減するために必要な措置を講ずるように努めなければならない。
3
都道府県知事は、急傾斜地崩壊危険区域内における急傾斜地の崩壊による災害を防止するために必要があると認める場合においては、当該急傾斜地崩壊危険区域内の土地の所有者、管理者又は占有者、その土地内において制限行為を行つた者、当該急傾斜地の崩壊により被害を受けるおそれのある者等に対し、急傾斜地崩壊防止工事の施行その他の必要な措置をとることを勧告することができる。
(改善命令)
第10条
都道府県知事は、急傾斜地崩壊危険区域内の土地において制限行為(当該急傾斜地崩壊危険区域の指定前に行なわれた行為又はその指定の際すでに着手している行為であつて、その行為が当該指定後に行なわれたとしたならば制限行為に該当する行為となるべきものを含む。以下同じ。)が行なわれ、かつ、当該制限行為に伴う急傾斜地の崩壊を防止するために必要な急傾斜地崩壊防止工事がなされていないか又はきわめて不完全であることのために、これを放置するときは、当該制限行為に伴う急傾斜地の崩壊のおそれが著しいと認められる場合においては、その著しいおそれを除去するために必要であり、かつ、土地の利用状況、当該制限行為が行なわれるに至つた事情等からみて相当であると認められる限度において、当該制限行為の行なわれた土地の所有者、管理者又は占有者に対し、相当の猶予期限をつけて、急傾斜地崩壊防止工事の施行を命ずることができる。
2
前項に規定する場合において、制限行為の行なわれた土地の所有者、管理者又は占有者以外の者の行為によつて同項に規定する急傾斜地の崩壊の著しいおそれが生じたことが明らかであり、その行為をした者に同項の工事の全部又は一部を行なわせることが相当であると認められ、かつ、これを行なわせることについて当該制限行為が行なわれた土地の所有者、管理者又は占有者に異議がないときは、都道府県知事は、その行為をした者に対して、同項の工事の全部又は一部の施行を命ずることができる。
3
前2項の規定は、第8条第1項各号に掲げる者に対しては、適用しない。
4
第8条第2項の規定は、第1項又は第2項の場合について準用する。
(立入検査)
第11条
都道府県知事又はその命じた者若しくは委任した者は、第7条第1項、第8条第1項又は前条第1項若しくは第2項の規定による権限を行なうために必要がある場合においては、当該土地に立ち入り、当該土地又は当該土地における急傾斜地崩壊防止工事若しくは制限行為の状況を検査することができる。
2
第5条第5項の規定は、前項の場合について準用する。
3
第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(都道府県の施行する急傾斜地崩壊防止工事)
第12条
都道府県は、急傾斜地崩壊防止工事のうち、制限行為に伴う急傾斜地の崩壊を防止するために必要な工事以外の工事で、当該急傾斜地の所有者、管理者若しくは占有者又は当該急傾斜地の崩壊により被害を受けるおそれのある者が施行することが困難又は不適当と認められるものを施行するものとする。
2
前項の規定は、砂防法(明治三十年法律第29号)第2条の規定により指定された土地、森林法(昭和二十六年法律第249号)第25条第1項若しくは第25条の2第1項若しくは第2項の規定により指定された保安林(同法第25条の2第1項後段又は第2項後段において準用する同法第25条第2項の規定により指定された保安林を除く。)若しくは同法第41条の規定により指定された保安施設地区又は地すべり等防止法(昭和三十三年法律第30号)第3条第1項の規定により指定された地すべり防止区域若しくは同法第4条第1項の規定により指定されたぼた山崩壊防止区域については、適用しない。
3
都道府県は、漁港漁場整備法(昭和二十五年法律第137号)第2条に規定する漁港の区域(水域を除く。)内、港湾法(昭和二十五年法律第218号)第37条第1項に規定する港湾隣接地域内又は海岸法(昭和三十一年法律第101号)第3条第1項に規定する海岸保全区域内において第1項の規定による急傾斜地崩壊防止工事(以下「都道府県営工事」という。)を施行しようとするときは、あらかじめ、漁港管理者、港湾管理者又は海岸管理者に協議しなければならない。ただし、港湾法第37条第1項及び第3項又は海岸法第10条第2項の規定により港湾管理者又は海岸管理者に協議しなければならない場合においては、この限りでない。
(都道府県以外の者の施行する工事)
第13条
国又は地方公共団体以外の者が急傾斜地崩壊防止工事を施行しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
2
国又は地方公共団体は、急傾斜地崩壊防止工事を施行しようとするときは、あらかじめ、その旨を都道府県知事に通知しなければならない。
(急傾斜地崩壊防止工事の施行の基準)
第14条
急傾斜地崩壊防止工事は、急傾斜地崩壊危険区域内における急傾斜地の崩壊の原因、機構及び規模に応じて、有効かつ適切なものとしなければならない。
2
急傾斜地崩壊防止工事は、政令で定める技術的基準に従い、施行しなければならない。
(適用の除外)
第15条
前2条の規定は、急傾斜地崩壊防止工事が砂防法による砂防工事、森林法による保安施設事業に係る工事又は地すべり等防止法による地すべり防止工事若しくはぼた山崩壊防止工事である場合における当該急傾斜地崩壊防止工事については、適用しない。
(附帯工事の施行)
第16条
都道府県は、都道府県営工事により必要を生じた急傾斜地崩壊防止工事以外の工事(以下「他の工事」という。)又は都道府県営工事を施行するために必要を生じた他の工事を当該都道府県営工事とあわせて施行することができる。
2
前項の場合において、他の工事が河川工事(河川法(昭和三十九年法律第167号)が適用され、又は準用される河川の河川工事をいう。以下同じ。)又は道路(道路法(昭和二十七年法律第180号)による道路をいう。以下同じ。)に関する工事であるときは、当該他の工事の施行については、同項の規定は、適用しない。
(土地の立入り等)
第17条
都道府県知事又はその命じた者若しくは委任した者は、都道府県営工事のためにやむを得ない必要があるときは、他人の占有する土地に立ち入り、又は特別の用途のない他人の土地を材料置場若しくは作業場として一時使用することができる。
2
第5条第2項から第10項までの規定は、前項の場合について準用する。
(急傾斜地崩壊防止工事に伴う損失の補償)
第18条
土地収用法第93条第1項の規定による場合を除き、都道府県営工事を施行したことにより、当該都道府県営工事を施行した土地に面する土地について、通路、みぞ、かき、さくその他の施設若しくは工作物を新築し、増築し、修繕し、若しくは移転し、又は盛土若しくは切土をするやむを得ない必要があると認められる場合においては、都道府県は、これらの工事をすることを必要とする者(以下この条において「損失を受けた者」という。)の請求により、これに要する費用の全部又は一部を補償しなければならない。この場合において、都道府県又は損失を受けた者は、補償金の全部又は一部に代えて、都道府県が当該工事を施行することを要求することができる。
2
前項の規定による損失の補償は、都道府県営工事の完了の日から一年を経過した後においては、請求することができない。
3
第1項の規定による損失の補償については、都道府県と損失を受けた者とが協議しなければならない。
4
前項の規定による協議が成立しない場合においては、都道府県又は損失を受けた者は、政令で定めるところにより、収用委員会に土地収用法第94条の規定による裁決を申請することができる。
第19条
削除
(国土交通大臣の指示)
第20条
国土交通大臣は、急傾斜地の崩壊による災害が発生し、又は発生するおそれがあると認められる場合において、災害の発生を防止し、又は災害を軽減するため緊急の必要があると認められるときは、都道府県に対し、第3条第1項及び第3項、第7条第1項、第2項及び第4項、第8条第1項、同条第2項(第10条第4項において準用する場合を含む。)、第9条第3項、第10条第1項及び第2項、第11条第1項並びに第12条第1項に規定する事務に関し、必要な指示をすることができる。
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