第2条
法第6条第1項の政令で定める基準は、次の各号に掲げる土砂災害の発生原因となる自然現象の区分に応じ、当該各号に定める土地の区域であることとする。
一
急傾斜地の崩壊 次に掲げる土地の区域
イ 急傾斜地(傾斜度が三十度以上である土地の区域であって、高さが五メートル以上のものに限る。以下同じ。)
ロ 次に掲げる土地の区域のうちイの急傾斜地の上端と下端の右端の点を通る鉛直面と左端の点を通る鉛直面で挟まれる土地の区域
(1) イの急傾斜地の上端に隣接する急傾斜地以外の土地の区域であって、当該上端からの水平距離が十メートル以内のもの
(2) イの急傾斜地の下端に隣接する急傾斜地以外の土地の区域であって、当該下端からの水平距離が当該急傾斜地の高さに相当する距離の二倍(当該距離の二倍が五十メートルを超える場合にあっては、五十メートル)以内のもの(急傾斜地の崩壊が発生した場合において、地形の状況により明らかに土石等が到達しないと認められる土地の区域を除く。)
二
土石流 その流水が山麓における扇状の地形の地域に流入する地点より上流の部分の勾配が急な河川(当該上流の流域面積が五平方キロメートル以下であるものに限る。第7条第4号ハにおいて「渓流」という。)のうち当該地点より下流の部分及び当該下流の部分に隣接する一定の土地の区域であって、国土交通大臣が定める方法により計測した土地の勾配が二度以上のもの(土石流が発生した場合において、地形の状況により明らかに土石流が到達しないと認められる土地の区域を除く。)
三
地滑り 次に掲げる土地の区域
イ 地滑り区域(地滑りしている区域又は地滑りするおそれのある区域をいう。以下同じ。)
ロ イの地滑り区域に隣接する一定の土地の区域であって、当該地滑り区域及び当該一定の土地の区域を投影した水平面上において、当該一定の土地の区域の投影が、当該地滑り区域の境界線の投影(以下この号において「境界線投影」という。)のうち当該境界線投影と地滑り方向(当該地滑り区域に係る地滑り地塊が滑る場合に当該水平面上において当該地滑り地塊の投影が移動する方向をいう。以下この号及び次条第3号ロにおいて同じ。)に平行な当該水平面上の二本の直線との接点を結ぶ部分で地滑り方向にあるもの(同号ロにおいて「特定境界線投影」という。)を、当該境界線投影に接する地滑り方向と直交する当該水平面上の二本の直線間の距離(当該距離が二百五十メートルを超える場合にあっては、二百五十メートル)だけ当該水平面上において地滑り方向に平行に移動したときにできる軌跡に一致する土地の区域(地滑りが発生した場合において、地形の状況により明らかに地滑り地塊の滑りに伴って生じた土石等が到達しないと認められる土地の区域を除く。)
第3条
法第8条第1項の政令で定める基準は、次の各号に掲げる土砂災害の発生原因となる自然現象の区分に応じ、当該各号に定める土地の区域であることとする。
一
急傾斜地の崩壊 次に掲げる土地の区域
イ その土地の区域内に建築物が存するとした場合に急傾斜地の崩壊に伴う土石等の移動により当該建築物の地上部分に作用すると想定される力の大きさ(当該急傾斜地の高さ及び傾斜度、当該急傾斜地の下端から当該建築物までの水平距離等に応じて国土交通大臣が定める方法により算出した数値とする。)が、通常の居室を有する建築物(以下この条において「通常の建築物」という。)が土石等の移動に対して住民等の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれのある損壊を生ずることなく耐えることのできる力の大きさ(当該急傾斜地の崩壊に伴う土石等の移動により力が当該通常の建築物の地上部分に作用する場合の土石等の高さに応じて国土交通大臣が定める方法により算出した数値とする。)を上回る土地の区域
ロ その土地の区域内に建築物が存するとした場合に急傾斜地の崩壊に伴う土石等の堆積により当該建築物の地上部分に作用すると想定される力の大きさ(当該急傾斜地の高さ及び傾斜度、当該急傾斜地の下端から当該建築物までの水平距離等に応じて国土交通大臣が定める方法により算出した数値とする。)が、通常の建築物が土石等の堆積に対して住民等の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれのある損壊を生ずることなく耐えることのできる力の大きさ(当該急傾斜地の崩壊に伴う土石等の堆積により力が当該通常の建築物の地上部分に作用する場合の土石等の高さに応じて国土交通大臣が定める方法により算出した数値とする。)を上回る土地の区域
二
土石流 その土地の区域内に建築物が存するとした場合に土石流により当該建築物に作用すると想定される力の大きさ(当該土石流により流下する土石等の量、土地の勾配等に応じて国土交通大臣が定める方法により算出した数値とする。)が、通常の建築物が土石流に対して住民等の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれのある損壊を生ずることなく耐えることのできる力の大きさ(当該土石流により力が当該通常の建築物に作用する場合の土石流の高さに応じて国土交通大臣が定める方法により算出した数値とする。)を上回る土地の区域
三
地滑り 次の要件を満たす土地の区域
イ その土地の区域内に建築物が存するとした場合に地滑り地塊の滑りに伴って生じた土石等の移動により力が当該建築物に作用した時から三十分間が経過した時において当該建築物に作用すると想定される力の大きさ(当該地滑り地塊の規模等に応じて国土交通大臣が定める方法により算出した数値とする。)が、通常の建築物が土石等の移動に対して住民等の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれのある損壊を生ずることなく耐えることのできる力の大きさ(当該地滑り地塊の滑りに伴って生じた土石等の移動により力が当該通常の建築物に作用する場合の土石等の高さに応じて国土交通大臣が定める方法により算出した数値とする。)を上回る土地の区域であること。
ロ 地滑り区域に隣接する一定の土地の区域であって、当該地滑り区域及び一定の土地の区域を投影した水平面上において、当該一定の土地の区域の投影のすべてが、特定境界線投影を当該水平面上において地滑り方向に六十メートル平行に移動したときにできる軌跡の範囲内にあるものであること。
第4条
法第8条第2項の政令で定める衝撃に関する事項は、次の各号に掲げる土砂災害の発生原因となる自然現象の区分に応じ、当該各号に定める事項とする。
一
急傾斜地の崩壊 イに掲げる区域の区分並びに当該区域の区分ごとに定めるロ及びハに掲げる事項
イ 土砂災害特別警戒区域について、急傾斜地の崩壊に伴う土石等の移動又は堆積により建築物の地上部分に作用すると想定される力の大きさを考慮して国土交通大臣が定める方法により、行う区域の区分
ロ イの定めるところにより区分された区域内に建築物が存するとした場合に急傾斜地の崩壊に伴う土石等の移動により当該建築物の地盤面に接する部分に作用すると想定される力の大きさ(当該急傾斜地の高さ及び傾斜度、当該急傾斜地の下端から当該建築物までの水平距離等に応じて国土交通大臣が定める方法により算出した数値とする。)のうち最大のもの及び当該力が当該建築物に作用する場合の土石等の高さ
ハ イの定めるところにより区分された区域内に建築物が存するとした場合に急傾斜地の崩壊に伴う土石等の堆積により当該建築物の地盤面に接する部分に作用すると想定される力の大きさ(当該急傾斜地の高さ及び傾斜度、当該急傾斜地の下端から当該建築物までの水平距離等に応じて国土交通大臣が定める方法により算出した数値とする。)のうち最大のもの及び当該力が当該建築物に作用する場合の土石等の高さ
二
土石流 イに掲げる区域の区分及び当該区域の区分ごとに定めるロに掲げる事項
イ 土砂災害特別警戒区域について、土石流により建築物に作用すると想定される力の大きさを考慮して国土交通大臣が定める方法により、行う区域の区分
ロ イの定めるところにより区分された区域内に建築物が存するとした場合に土石流により当該建築物の地盤面に接する部分に作用すると想定される力の大きさ(当該土石流により流下する土石等の量、土地の勾配等に応じて国土交通大臣が定める方法により算出した数値とする。)のうち最大のもの及び当該力が当該建築物に作用する場合の土石流の高さ
三
地滑り 土砂災害特別警戒区域内に建築物が存するとした場合に地滑り地塊の滑りに伴って生じた土石等の移動により力が当該建築物に作用した時から三十分間が経過した時において当該建築物の地盤面に接する部分に作用すると想定される力の大きさ(当該地滑り地塊の規模等に応じて国土交通大臣が定める方法により算出した数値とする。)及び当該力が当該建築物に作用する場合の土石等の高さ
第5条
法第9条第1項ただし書の政令で定める行為は、次に掲げるものとする。
一
非常災害のために必要な応急措置として行う開発行為
二
仮設建築物の建築の用に供する目的で行う開発行為
第6条
法第9条第2項の政令で定める社会福祉施設、学校及び医療施設は、次に掲げるものとする。
一
老人福祉施設(老人介護支援センターを除く。)、有料老人ホーム、身体障害者更生援護施設、知的障害者援護施設、精神障害者社会復帰施設、保護施設(医療保護施設及び宿所提供施設を除く。)、児童福祉施設(児童自立支援施設を除く。)、母子福祉施設、母子健康センターその他これらに類する施設
二
盲学校、聾学校、養護学校及び幼稚園
三
病院、診療所及び助産所
第7条
法第11条の政令で定める技術的基準は、次のとおりとする。
一
対策工事の計画は、対策工事以外の特定開発行為に関する工事の計画と相まって、特定予定建築物における土砂災害を防止するものであるとともに、開発区域及びその周辺の地域における土砂災害の発生のおそれを大きくすることのないものであること。
二
対策工事以外の特定開発行為に関する工事の計画は、対策工事の計画と相まって、開発区域及びその周辺の地域における土砂災害の発生のおそれを大きくすることのないものであること。
三
土砂災害の発生原因が急傾斜地の崩壊である場合にあっては、対策工事の計画は、急傾斜地の崩壊により生ずる土石等を特定予定建築物の敷地に到達させることのないよう、次のイからハまでに掲げる工事又は施設の設置の全部又は一部を当該イからハまでに定める基準に従い行うものであること。
イ のり切 地形、地質等の状況を考慮して、急傾斜地の崩壊を助長し、又は誘発することのないように施行すること。
ロ 急傾斜地の全部又は一部の崩壊を防止するための施設 次の(1)から(3)までに掲げる施設の種類の区分に応じ、当該(1)から(3)までに定める基準に適合するものであること。
(1) 土留 のり面の崩壊を防止し、土圧、水圧及び自重によって損壊、転倒、滑動又は沈下をせず、かつ、その裏面の排水に必要な水抜穴を有する構造であること。
(2) のり面を保護するための施設 石張り、芝張り、モルタルの吹付け等によりのり面を風化その他の侵食に対して保護する構造であること。
(3) 排水施設 その浸透又は停滞により急傾斜地の崩壊の原因となる地表水及び地下水を急傾斜地から速やかに排除することができる構造であること。
ハ 急傾斜地の崩壊が発生した場合に生じた土石等を堆積するための施設 土圧、水圧、自重及び土石等の移動又は堆積により当該施設に作用する力によって損壊、転倒、滑動又は沈下をしない構造であること。
四
土砂災害の発生原因が土石流である場合にあっては、対策工事の計画は、土石流を特定予定建築物の敷地に到達させることのないよう、次のイからニまでに掲げる施設の設置の全部又は一部を当該イからニまでに定める基準に従い行うものであること。
イ 山腹工 山腹の表層の風化その他の侵食を防止すること等により当該山腹の安定性を向上する機能を有する構造であること。
ロ えん堤 土石流により流下する土石等を堆積することにより渓床を安定する機能を有し、かつ、土圧、水圧、自重及び土石流により当該えん堤に作用する力によって損壊、転倒、滑動又は沈下をしない構造であること。
ハ 床固 渓流の土石等の移動を防止することにより渓床を安定する機能を有し、かつ、土圧、水圧、自重及び土石流により当該床固に作用する力によって損壊、転倒、滑動又は沈下をしない構造であること。
ニ 土石流を開発区域外に導流するための施設 その断面及び勾配が当該施設を設置する地点において流下する土石流を開発区域外に安全に導流することができる構造であること。
五
土砂災害の発生原因が地滑りである場合にあっては、対策工事の計画は、地滑り地塊の滑りに伴って生じた土石等を特定予定建築物の敷地に到達させることのないよう、次のイからヘまでに掲げる工事又は施設の設置の全部又は一部を当該イからヘまでに定める基準に従い行うものであること。
イ 地滑り地塊の除去 地形、地質等の状況を考慮して、地滑りを助長し、又は誘発することのないように施行し、かつ、地滑り地塊の除去により形成されたのり面を安定するように施行すること。
ロ 水流の付替え 地形、地質、流水等の状況を考慮して、流水が速やかに流下するように施行すること。
ハ 排水施設 地滑りの原因となる地表水及び地下水を地滑り区域から速やかに排除することができる構造であること。
ニ 土留及びくい 地滑り力に対して安全な構造であること。
ホ ダム、床固、護岸、導流堤及び水制 地滑り地塊を安定させている土地を流水による浸食に対して保護する構造であること。
ヘ 地滑り地塊の滑りに伴って生じた土石等を堆積するための施設 土圧、水圧、自重及び地滑り地塊の滑りに伴って生じた土石等の移動により当該施設に作用する力によって損壊、転倒、滑動又は沈下をしない構造であること。
六
対策工事の計画及び対策工事以外の特定開発行為に関する工事の計画において定める高さが二メートルを超える擁壁については、建築基準法施行令(昭和二十五年政令第338号)第142条(同令第7章の8の準用に関する部分を除く。)に定めるところによるものであること。